会社設立の費用はいくらかかる?内訳・節約方法・資金調達まで税理士が解説
Relyne(リライン)会計事務所の永野です。
「会社を設立したいが、いくらかかるのか」──起業を考える方からもっとも多く寄せられる質問の一つです。
会社設立には登録免許税や定款認証の手数料といった法律で定められた費用(法定費用)に加え、印鑑作成費用・専門家報酬など、さまざまなコストが発生します。
本記事では、これから会社を設立する方に向けて、株式会社と合同会社それぞれにかかる費用から、費用を抑える方法、資金の調達方法まで、専門家である公認会計士・税理士が詳しく解説します。
会社設立の全体的な流れについては「【2026年版】自分でできる株式会社の設立手順を分かりやすく解説」もあわせてご覧ください。
自分で手続きするのが大変だという場合は、専門家にお任せすることも可能です。
当事務所では、会社設立の手続きだけでなく、法人化のタイミングや最適な資本金・役員報酬の設定といったご相談も承っていますので、お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。
目次
1. 会社設立費用の全体像
会社設立にかかる費用は、大きく「法定費用」と「それ以外の費用」に分けられます。法定費用とは、法律で納付が義務付けられているため削減できない費用です。一方、それ以外の費用は工夫次第で抑えることが可能です。
株式会社と合同会社の設立費用の目安は次のとおりです。
| 費用項目 | 株式会社 | 合同会社 |
|---|---|---|
| 登録免許税 | 15万円〜(最低額) | 6万円〜(最低額) |
| 定款認証手数料 | 1.5〜5万円 | 不要 |
| 定款の謄本請求手数料 | 約2,000円 | 不要 |
| 定款の収入印紙代 | 0円(電子定款) 4万円(紙定款) |
0円(電子定款) 4万円(紙定款) |
| 法定費用の合計(電子定款の場合) | 約17〜20万円 | 約6万円 |
| 印鑑の作成費用 | 1〜3万円程度 | 1〜3万円程度 |
| 専門家報酬(依頼する場合) | 5〜15万円程度 | 5〜15万円程度 |
※上記のほか、会社設立後には登記事項証明書や印鑑証明書の取得費用(合計数千円程度)が別途発生します。
このほか、資本金が別途必要となります。資本金は費用(経費)ではなく会社の元手ですが、会社設立時に準備する必要がある点では実質的なコストと同じです。
2. 会社設立の法定費用

2-1 登録免許税
登録免許税は、法務局で会社設立の登記を行う際に納める国税です。会社設立のコストのなかで、もっとも大きな割合を占める法定費用です。
税額は「資本金の額×0.7%」と「最低額」のいずれか大きい金額となります。最低額は会社形態によって次のように異なります。
| 会社形態 | 最低額 | 計算式 |
|---|---|---|
| 株式会社 | 15万円 | 資本金×0.7%と15万円のうち大きい方 |
| 合同会社 | 6万円 | 資本金×0.7%と6万円のうち大きい方 |
| 合名会社・合資会社 | 6万円 | 一律6万円 |
たとえば資本金300万円で株式会社を設立する場合、「300万円×0.7%=2.1万円」となり15万円に満たないため、登録免許税は15万円となります。一方、資本金が約2,143万円を超える株式会社は、0.7%で計算した金額が15万円を上回り、それに応じて税額も増加します。
合同会社の場合は、資本金が約857万円を超えると最低額の6万円を上回ります。
納付方法は、設立登記申請書に登録免許税分の収入印紙を貼付して法務局に提出するのが一般的です。オンライン申請の場合はインターネットバンキングやATMからの電子納付も可能です。
ポイント:特定創業支援等事業による半額軽減
市区町村が実施する「特定創業支援等事業」の支援を受け、証明書の交付を受けると、登録免許税が半額に軽減されます。株式会社なら15万円→7.5万円、合同会社なら6万円→3万円に減額できます(詳しくは後述)。
2-2 定款認証手数料
定款認証手数料は、株式会社を設立する場合のみ発生する費用です。合同会社・合名会社・合資会社では定款の認証が不要なため、この費用はかかりません。
定款認証手数料は、資本金(定款記載の設立時出資額)に応じて段階的に定められています。また、一定要件を満たす小規模な株式会社については、認証手数料が1万5,000円に軽減される特例があります。
| 資本金の額等 | 認証手数料 |
|---|---|
| 100万円未満(※下記3要件を満たす場合) | 1万5,000円 |
| 100万円未満(要件を満たさない場合) | 3万円 |
| 100万円以上300万円未満 | 4万円 |
| 300万円以上 | 5万円 |
※1万5,000円の軽減を受けるには、以下3つの要件をすべて満たす必要があります。
- 発起人の全員が自然人(個人)であり、かつ、その数が3人以下であること
- 定款に発起人が設立時発行株式の全部を引き受ける旨の記載があること
- 定款に取締役会を置く旨の記載がないこと
一人で小規模に会社を設立するケース(発起人=取締役が1人で、資本金100万円未満)では、この軽減措置の恩恵を受けやすいでしょう。ただし、資本金を軽減のために無理に100万円未満にすると、法人口座開設や融資審査で不利になる可能性もあるため、安易に資本金を調整するのは避けるべきです。
参考:日本公証人連合会「定款認証」
参考:日本公証人連合会「会社の定款手数料の改定」
2-3 定款の謄本請求手数料
株式会社を設立する際には、登記申請書に添付するための定款謄本(認証された定款の謄本)が必要です。謄本手数料は1枚につき250円で、定款の枚数によって金額が変動します。一般的な定款は8枚前後で作成されるケースが多く、合計2,000円前後が目安となります。
合同会社は定款認証が不要なため、この費用は発生しません。
2-4 定款の収入印紙代
紙で作成した定款には4万円分の収入印紙を貼付する必要があります。一方、電子定款(PDF形式で作成しオンライン認証を受ける定款)には収入印紙が不要です。
したがって、電子定款を利用すれば4万円を節約できます。現在はほとんどの会社設立で電子定款が利用されています。
ただし、電子定款の作成には次のようなものが必要になります。
- 電子証明書(マイナンバーカード等)
- ICカードリーダライタ
- PDF変換ソフト(電子署名対応)
- 登記・供託オンライン申請システムの利用環境
自分で電子定款を作成する場合、これらの環境整備に時間とコストがかかります。専門家(司法書士・行政書士等)に依頼すれば、電子定款の作成を代行してもらえるため、印紙代4万円分を節約しつつ手間を省くことができます。
なお、合同会社の場合も定款の作成は必要ですが、認証は不要です。紙定款なら4万円の印紙代が必要ですが、電子定款なら不要となる点は株式会社と同じです。
3. 法定費用以外に発生する費用
3-1 資本金
資本金は「費用」ではなく会社の元手(自己資本)であり、設立後も会社のお金として事業に使える資金です。ただし、会社設立時に用意しておく必要がある金額という意味では、実質的な設立コストの一部として考える必要があります。
現行の会社法では資本金1円からでも会社を設立できますが、実務上は次のようなリスクがあるため、一定額以上を用意するのが一般的です。
- 資本金が少なすぎると、取引先や金融機関からの信用を得にくい
- 運転資金が不足し、設立直後に資金ショートするリスクがある
- 許認可の取得に一定の資本金要件がある業種がある
一般的な目安は「初期費用+3〜6か月分の運転資金」です。
一方、資本金が1,000万円以上になると、設立1期目から消費税の納税義務が生じる、法人住民税の均等割が増加するといったデメリットがあります。特別な事情がない限り、1,000万円未満に設定するのがおすすめです。
資本金の決め方について詳しくは「会社設立の資本金はいくらが最適?決め方と注意点を税理士が解説」をご参照ください。
3-2 印鑑の作成費用
会社設立時には、一般的に次の4種類の印鑑を用意します。
| 印鑑の種類 | 用途 |
|---|---|
| 実印(代表者印) | 登記申請や重要な契約で使用する最重要の印鑑 |
| 銀行印 | 法人口座の取引に使用 |
| 角印 | 請求書・見積書等に押印する社印 |
| ゴム印 | 住所・会社名・代表者名などを記載 |
印鑑の品質や素材によって価格は大きく異なりますが、3本セット(実印・銀行印・角印)で1万円〜3万円程度が一般的です。ネット通販を利用すれば5,000円程度のセットも入手可能です。
なお、オンラインで登記申請する場合、印鑑届出は任意になりましたが、金融機関の口座開設等で印鑑証明書の提出を求められるケースが依然として多いため、実印は作成しておくのが無難です。
3-3 専門家報酬
会社設立を自分で行う場合、専門家への報酬は発生しません。しかし、登記手続きや定款作成には専門知識が必要で、慣れていない方にとっては数週間〜1か月以上の時間がかかることもあります。
専門家に依頼する場合の報酬の目安は次のとおりです。
| 依頼内容 | 専門家 | 報酬の目安 |
|---|---|---|
| 登記申請の代行 | 司法書士 | 4〜7万円程度 |
| 定款作成・認証 | 行政書士・司法書士 | 3〜5万円程度 |
※上記セット料金として5~15万円前後で設定されている場合も多いです。
なお、「税理士に設立を依頼すると安くなる」と聞いたことがある方もいるかもしれません。これは、税理士が設立後の顧問契約を前提に、設立手続きの手数料を値引きするケースがあるためです。設立後の税務顧問までセットで依頼する予定であれば、こうした割引を活用することで、結果的にトータルコストを抑えられる可能性があります。
当事務所でもクラウド会計ソフトの「freee(フリー)」と連携し、専門家報酬0円で会社設立を代行しております。
ご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせいただければと思います。
3-4 登記事項証明書・印鑑証明書の取得費用
会社設立登記が完了した後、銀行口座の開設、許認可の取得、各種契約の締結などのために登記事項証明書や印鑑証明書を取得する必要があります。これらは設立登記そのものの法定費用ではありませんが、設立直後に必ず発生する関連費用です。
手数料は次のとおりです。
| 書類 | 書面請求 | オンライン請求(送付) | オンライン請求(窓口交付) |
|---|---|---|---|
| 登記事項証明書 | 1通600円 | 1通520円 | 1通490円 |
| 印鑑証明書 | 1通500円 | 1通450円 | 1通420円 |
設立直後は複数通を取得するのが一般的で、合計で数千円程度の費用が発生します。なお、印鑑証明書の取得には事前に法務局への印鑑登録(印鑑届出)が必要です。オンラインで設立登記を行う場合、印鑑届出は任意となっていますが、銀行口座開設等で印鑑証明書の提出を求められるケースが多いため、実務上は届け出ておくのが一般的です。
4. 株式会社と合同会社の設立費用の違い
株式会社と合同会社では、設立費用に10万円以上の差があります。電子定款を利用した場合の比較は次のとおりです。
| 項目 | 株式会社 | 合同会社 |
|---|---|---|
| 登録免許税(最低額) | 15万円 | 6万円 |
| 定款認証手数料 | 1.5〜5万円 | 不要 |
| 定款の謄本請求手数料 | 約2,000円 | 不要 |
| 定款の収入印紙代(電子定款) | 0円 | 0円 |
| 合計(最低額) | 約17〜20万円 | 約6万円 |
このように、合同会社は株式会社に比べて約10万円以上安く設立できます。
一方、会社形態を選ぶ際は、費用面だけでなく信用力・資金調達のしやすさ・組織運営の自由度なども考慮する必要があります。主な違いは次のとおりです。
| 観点 | 株式会社 | 合同会社 |
|---|---|---|
| 設立費用 | 高い(約17万円〜) | 安い(約6万円〜) |
| 知名度・信用力 | 高い | 株式会社より劣る |
| 資金調達の柔軟性 | 株式発行で大規模な調達が可能 | 出資者からの出資に限定 |
| 意思決定 | 株主総会の決議が必要 | 社員(出資者)間で柔軟に決定可能 |
| 決算公告義務 | あり | なし |
| 役員の任期 | 原則2年(最長10年) | 任期なし |
BtoB取引が中心の事業や、将来的に上場・大規模な資金調達を視野に入れている場合は株式会社、個人事業に近い小規模な事業や、柔軟な運営を重視する場合は合同会社が選択肢となるでしょう。
5. 会社設立費用の捻出・調達方法
会社設立にかかる費用は、株式会社なら資本金も含めて200万円〜500万円程度、合同会社でも100万円〜300万円程度は準備しておきたいところです。これらの資金をどのように準備・調達するか、主な方法を見ていきましょう。
5-1 自己資金
もっとも基本的な方法は、これまでの貯蓄や退職金などの自己資金です。
融資を申請する際にも自己資金の額やその準備期間は評価の対象となりますので、計画的に準備しておくことが重要です。
一般的に、創業融資を受ける際には融資希望額の3分の1程度の自己資金があると望ましいとされています。たとえば500万円の融資を希望する場合、150万円程度の自己資金を用意しておくのが目安です。
よくある失敗
- 自己資金ゼロの状態で設立を進め、資金ショートしてしまう
- 「見せ金」(一時的に借りたお金を資本金として払い込み、登記後に返済する行為)で資本金を偽装する→公正証書原本不実記載罪に問われる可能性があります
5-2 補助金・助成金
補助金・助成金は返済不要の資金です。国や自治体が政策目的に沿った事業を支援するために交付するもので、採択されれば事業資金の一部を賄うことができます。
ただし、次の点に注意が必要です。
- ほとんどの補助金は「後払い(精算払い)」:いったん自己負担で支出し、実施報告後に給付されます。つまり、設立時点で使える資金ではなく、設立後に使った経費の一部が後から戻ってくるイメージです。
- 採択には審査がある:申請すれば必ずもらえるものではなく、事業計画の内容で審査されます。
- 対象経費が限定されている:補助金の目的に沿った経費のみが対象です。
会社設立後に活用しやすい代表的な補助金には、次のようなものがあります。
| 補助金・助成金 | 概要 | 補助上限 |
|---|---|---|
| 小規模事業者持続化補助金 <創業型> |
創業1年以内の小規模事業者の販路拡大等を支援 | 最大200万円 (特例で最大250万円) |
| デジタル化・AI導入補助金 (旧:IT導入補助金) |
ITツール・AIソリューション導入支援 | 枠により5万円〜450万円 |
| ものづくり補助金 | 新製品・新サービス開発、設備投資を支援 | 750万円〜3,000万円 (特例で最大4,000万円) |
| キャリアアップ助成金 | 非正規雇用労働者の正社員化等を支援(雇用関連) | 対象・要件による |
| 各自治体の創業助成金 | 自治体ごとに独自の創業支援制度あり | 自治体による |
補助金は公募時期が限られており、毎年内容も変わります。最新の公募状況は、中小機構の補助金活用ナビや中小企業庁のミラサポplusで確認できます。
5-3 日本政策金融公庫の創業融資
自己資金だけでは設立資金が不足する場合、融資を検討することになります。創業時に利用しやすいのが、日本政策金融公庫の創業融資制度である「新規開業・スタートアップ支援資金」です。無担保・無保証人で利用できる可能性があり、創業時の主要な資金調達手段となっています。
新規開業・スタートアップ支援資金の概要は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 新たに事業を始める方、または事業開始後おおむね7年以内の方 |
| 融資限度額 | 7,200万円 |
| 返済期間 | 設備資金:20年以内(うち据置期間5年以内) 運転資金:10年以内(うち据置期間5年以内) |
| 担保・保証人 | 希望を聞きながら相談(原則無担保・無保証人) |
| 自己資金要件 | なし |
この制度には次のような特徴があります。
- 無担保・無保証人融資:原則として無担保・無保証人で融資を受けることができます
- 低利率:一定の要件を満たす場合は特別利率が適用され、保証料も不要です
- 長期で返済可能:設備資金20年以内、運転資金10年以内でともに据置期間を5年設定することができます
ただし、制度上の自己資金要件がないとはいえ、実務上は自己資金が多いほど審査で有利になります。また、事業計画書の完成度も審査の重要なポイントです。
このほか、自治体の制度融資(信用保証協会の保証を利用した融資)も創業時に活用できる選択肢です。金利が低く、自治体によっては利子補給や保証料補助もあります。お住まいの自治体のホームページでご確認ください。
6. 会社設立にかかるコストを削減する方法
会社設立費用は、工夫次第で大きく削減できます。代表的な方法を紹介します。

① 電子定款を利用する(4万円の節約)
紙定款で必要な収入印紙代4万円を節約できます。ご自身で電子定款を作成するには環境整備が必要なため、多くのケースでは専門家に依頼するのが現実的です。
② 合同会社を選択する(10万円以上の節約)
株式会社と比較して、登録免許税・定款認証手数料で約10万円以上の節約になります。BtoB取引が少なく、個人事業に近い小規模な事業であれば、合同会社も有力な選択肢です。
③ 特定創業支援等事業を活用する(登録免許税が半額に)
市区町村が実施する「特定創業支援等事業」のセミナー・個別相談などを受け、市区町村発行の証明書を取得することで、登録免許税が半額に軽減されます。
| 会社形態 | 通常の登録免許税 | 軽減後 |
|---|---|---|
| 株式会社 | 15万円 | 7万5,000円 |
| 合同会社 | 6万円 | 3万円 |
支援の内容は自治体によって異なりますが、経営・財務・人材育成・販路開拓などの知識を身につけるセミナーや個別相談を一定期間にわたって受けるのが一般的です。証明書の発行まで1〜2か月程度かかるため、設立スケジュールに余裕を持って動くことが重要です。
また、特定創業支援等事業の証明書は、小規模事業者持続化補助金<創業型>の申請要件にもなっているため、補助金活用を検討している場合は一石二鳥です。
④ 定款認証手数料の減額要件を満たす(1万5,000円の節約)
定款認証手数料の減額制度(資本金100万円未満・発起人3人以下・取締役会非設置)を活用すれば、認証手数料が3万円から1万5,000円に半減します。
ただし、前述のとおり減額のために無理に資本金を下げるのは本末転倒です。元から小規模に始める予定の方のみ活用を検討しましょう。
⑤ 印鑑をネット通販で購入する(数千円〜数万円の節約)
実印・銀行印・角印の3本セットで、ネット通販なら5,000円程度から入手できます。
7. Q&A
Q1. 会社設立にかかる費用を1円でも安くしたい場合、最安でいくらから設立できますか?
A. 合同会社を電子定款で設立し、特定創業支援等事業を活用した場合、法定費用は登録免許税3万円のみで済みます。これに印鑑作成費用(数千円〜)と設立後に必要な登記事項証明書・印鑑証明書の取得費用(数千円)を加えると、4万〜5万円程度から設立可能です。ただし、特定創業支援等事業の受講に時間がかかる点や、資本金を別途用意する必要がある点には注意が必要です。
Q2. 会社設立費用は経費として計上できますか?
A. 会社設立にかかった費用のうち、会社設立前の準備段階で発生した費用は「創立費」、設立後から開業までに発生した費用は「開業費」として処理できます。いずれも繰延資産として計上し、任意の年度で償却(経費化)することが可能です。節税対策として、利益が出た年度に償却するといった柔軟な活用が可能です。
Q3. 資本金も会社設立費用に含まれますか?
A. 厳密には費用ではありません。資本金は会社の元手(自己資本)であり、設立後も会社のお金として事業に使えます。ただし、「設立時に用意しておく必要があるお金」という意味では、実質的な初期費用の一部として考える必要があります。
Q4. 設立費用を抑えるために資本金を1円にしても問題ありませんか?
A. 法律上は資本金1円で設立可能ですが、実務上はおすすめできません。運転資金がゼロの状態でスタートすることになり、取引先や金融機関からの信用を得にくく、法人口座の開設審査でも不利になる可能性があります。資本金は「初期費用+3〜6か月分の運転資金」を目安に設定するのが基本です。
Q5. 個人事業主から法人化する場合の費用は、通常の会社設立と同じですか?
A. 設立費用自体は通常の会社設立と同じです。ただし、個人事業主から法人化する場合は、個人事業の廃業届、資産・負債の引継ぎ、従業員の社会保険加入手続きなど、別途対応が必要な事項が多数あります。法人化のベストタイミングや税務メリットについては、税理士に相談することをおすすめします。
8. まとめ
以上、会社設立にかかる費用について、法定費用から資金調達・コスト削減の方法まで解説しました。ポイントを整理すると次のとおりです。
- 株式会社の設立には最低でも約17万円、合同会社の設立には最低でも約6万円の法定費用がかかる
- 電子定款を利用すると4万円の収入印紙代を節約できる
- 特定創業支援等事業の証明書を取得すると、登録免許税が半額になる
- 一定要件(資本金100万円未満・発起人3人以下・取締役会非設置)を満たす小規模な株式会社の定款認証手数料は1万5,000円に軽減される
- 日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」は、制度上の自己資金要件がなく、無担保・無保証人で利用できる可能性がある
- 資本金は「費用」ではなく会社の元手。初期費用+3〜6か月分の運転資金を目安に、原則1,000万円未満で設定する
会社設立は、費用だけでなく、資本金の設定、会社形態の選択、設立後の税務・社会保険手続きなど、意思決定すべき事項が多岐にわたります。一度決めると変更に手間とコストがかかるため、設立前の段階で専門家に相談しておくことが、結果的にもっとも経済的な選択となるケースが多いです。
当事務所では、会社設立の手続きだけでなく、最適な資本金・会社形態の選択、法人化のタイミング、設立後の税務顧問、融資・補助金の活用支援までワンストップでサポートしておりますので、お気軽にご相談ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
