交際費とは?他の経費との違い・損金算入の上限額・税務調査対策まで税理士が解説
Relyne(リライン)会計事務所の永野です。
取引先との会食や贈答にかかる交際費は、多くの会社で日常的に発生する経費です。
一方で、法人税の計算では損金にできる金額に上限が設けられており、税務調査で指摘を受けやすい、取り扱いに注意が必要な費用でもあります。
本記事では、交際費の定義から損金算入の上限額、税務調査での否認パターンと対策まで公認会計士・税理士が解説します。
当事務所では、日々の経理処理のチェックから税務申告、税務調査の対応まで、法人の税務をサポートしています。初回無料相談も承っておりますので、お気軽にお問い合せください。
目次
1. 交際費とは
1-1 交際費等の定義
税法上の交際費は「交際費等」と呼ばれ、法人が、得意先・仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出する費用と定義されています(租税特別措置法61条の4第6項)。
取引先との会食、お中元・お歳暮の贈答、接待ゴルフなどが代表例です。
交際費等に該当するかどうかは、会計上どの勘定科目で処理したかではなく、支出の実態で判定されます。「会議費」や「福利厚生費」として処理していても、内容が接待に当たれば税務上は交際費等として扱われます。
そして交際費等は、法人税の計算上、全額が損金不算入とされるのが原則です。会計上は費用として利益を減らしますが、税金の計算では経費(損金)として認められず、法人税申告書の別表15で課税所得に加算する調整を行います。
ただし、法人の規模に応じた特例があり、資本金1億円以下の法人であれば年間800万円まで損金に算入することができます(詳細は第2章)。
参考:国税庁|No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算
1-2 交際費等に該当する3つの要件
交際費等に該当するのは、次の3つの要件をすべて満たす支出です。
- 支出の相手方が「事業に関係のある者」であること
- 支出の目的が、相手方との親睦を深めて取引関係を円滑にすることであること
- 行為の形態が「接待・供応・慰安・贈答その他これらに類する行為」であること
① 支出の相手方が「事業に関係のある者」であること
「事業に関係のある者」の範囲は広く、直接の得意先・仕入先に限りません。
間接的に自社の利害に関係する者、これから取引を始めようとする相手も含まれます。
自社の役員・従業員・株主やその親族も「事業に関係のある者」に含まれる点に注意が必要です。
そのため、役員や一部の従業員だけで行った食事会の費用(社内飲食費)は、福利厚生費ではなく交際費等に該当します。
② 親睦を深めて取引関係を円滑にする目的であること
接待や贈答は、それ自体が直接売上を生むわけではありませんが、取引先との関係を良好に保ち、事業を円滑に進める目的で行われます。この目的に当たるかどうかは、支出の経緯や相手方との関係から総合的に判定されます。
逆にいえば、事業と関係のない友人や家族との飲食は、この要件を満たさないため交際費等にはならず、そもそも会社の経費にすることができません。
③ 接待・供応・慰安・贈答その他これらに類する行為であること
具体的には、次のような行為が該当します。
- 接待・供応:会食、飲酒を伴うもてなし、ゴルフ・観劇・旅行への招待
- 慰安:相手の労をねぎらう行為(社内の特定メンバーへの慰労を含む)
- 贈答:お中元・お歳暮、手土産、慶弔時の祝い金・香典など

1-3 交際費等から除かれるもの
接待や飲食に関する支出であっても、次の費用は法令上、交際費等の範囲から除かれています。
① 1人当たり1万円以下の飲食費
取引先との飲食費のうち、支出額を参加者の数で割った金額が1人当たり1万円以下のものは、交際費等から除かれます。
「会議費」などの勘定科目で処理し、損金算入の上限額の計算に含めないのが一般的です。
この基準金額は、令和6年度税制改正により、2024年(令和6年)4月1日以後に支出する飲食費から5,000円→1万円に引き上げられました。
この取り扱いを受けるための注意点は次の3つです。
- 社内飲食費は対象外:自社の役員・従業員やその親族だけで行う飲食費には適用されません。社外の事業関係者が参加する飲食が対象です。
- 1万円を超えると全額が交際費等になる:1人当たり1万2,000円の会食の場合、1万円を超えた2,000円だけでなく、1万2,000円の全額が交際費等に該当します。
- 書類の保存が必須:次の事項を記載した書類(領収書+記録)を保存している場合に限り適用されます。
| 1人当たり1万円以下の飲食費に必要な記載事項 |
|---|
| ① 飲食のあった年月日 |
| ② 参加した得意先・仕入先など事業関係者の氏名または名称、およびその関係 |
| ③ 参加者の数 |
| ④ 費用の金額、飲食店の名称および所在地 |
| ⑤ その他、飲食費であることを明らかにするために必要な事項 |
② 従業員の慰安のための費用
専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行などのために通常要する費用は、交際費等から除かれ、福利厚生費に該当します。
③ カレンダー・手帳などの少額物品の贈答費用
カレンダー、手帳、扇子、うちわ、手ぬぐいなど、社名を入れて多数に配布する少額物品の贈答費用は、広告宣伝を目的とする支出として交際費等から除かれ、広告宣伝費に該当します。自社製品の見本品・試供品を提供する費用も同様です。
④ 会議に関連する飲食物の費用
会議に関連して、茶菓・弁当その他これらに類する飲食物を供与するために通常要する費用は、交際費等から除かれ、会議費に該当します。
社内会議だけでなく、取引先との商談・打ち合わせの際の費用も対象です。
⑤ 記事の取材などに通常要する費用
新聞・雑誌などの出版物や放送番組を編集するために行われる座談会、記事の収集や取材のために通常要する費用も、交際費等から除かれます。
1-4 会議費・福利厚生費など他の経費との違い
交際費等と混同しやすい経費との違いは次のとおりです。
| 勘定科目 | 支出の目的 | 主な対象 | 交際費等と分ける基準 |
|---|---|---|---|
| 会議費 | 商談・打ち合わせ・会議 | 会議・打合せの参加者 (社内外を問わない) |
会議としての実態 |
| 福利厚生費 | 従業員の慰安 | 自社の全従業員 | 全員に参加の機会 社会通念の範囲内の金額 |
| 広告宣伝費 | 自社・自社商品の宣伝 | 不特定多数の一般消費者 | 相手が特定の事業関係者か、不特定多数か |
| 寄附金 | 金銭・物品の贈与 (見返りを求めない) |
事業に直接関係のない相手 (神社、政治団体、NPO等) |
事業上の見返りを想定した支出か |
| 支払手数料 | 役務提供への対価 | 紹介業者 事前の契約に基づく紹介者 |
あらかじめ締結した契約に基づき、内容に見合った対価か |
会議費との違い
交際費等と会議費は、支出の目的が「接待・親睦」か「商談・打ち合わせ」かで分かれます。
同じ取引先との食事でも、打ち合わせのために喫茶店やレストランで昼食をとりながら行うものは会議費、夜に酒席を設けてもてなすものは交際費等というのが一般的な区分です。
会議費には1人当たりの金額基準はありません。ただし、金額の多寡そのものではなく、会議としての実態があるかどうかで判定されます。飲酒を伴う夜の会食や高級店での食事は、会議と称していても接待としての性格が強く、会議費としては認められにくいです。この場合は1-3①の「1人当たり1万円以下」の基準で交際費等から除くことができるかを検討することになります。
福利厚生費との違い
交際費等と福利厚生費は、従業員「全体」を対象にしているかどうかで分かれます。
忘年会・新年会・社員旅行などの費用が福利厚生費として認められるには、次の2つを満たす必要があります。
- 全従業員に参加の機会が与えられていること(結果として欠席者がいても問題ありません)
- 会社負担額が社会通念上妥当な範囲内であること
役員だけ・特定の部署だけの飲食会、全社行事の後に有志で集まった二次会の費用は、福利厚生費ではなく交際費等(社内飲食費)に該当します。社内飲食費は「1人当たり1万円以下」の基準も使うことはできないため、金額にかかわらず交際費等として処理することになります。
具体例
| 支出の内容 | 該当する経費 |
|---|---|
| 取引先を接待した会食(1人当たり1万円超) | 交際費等 |
| 取引先を接待した会食(1人当たり1万円以下) | 会議費(交際費等から除外) |
| 取引先との打ち合わせ時の弁当・コーヒー代 | 会議費 |
| 取引先へのお中元・お歳暮、香典・祝い金 | 交際費等 |
| 取引先を招待したゴルフ・旅行・観劇 | 交際費等 |
| 全従業員対象の忘年会・社員旅行 | 福利厚生費 |
| 役員・特定部署のみの食事会 | 交際費等(社内飲食費) |
| 社名入りカレンダー・手帳の配布 | 広告宣伝費 |
| 神社の祭礼への寄贈、政治団体への拠出 | 寄附金 |
| 事前の契約に基づき支払う顧客紹介料 | 支払手数料 |
2. 交際費の損金算入の上限額
2-1 法人規模ごとの損金算入の上限額
交際費等は全額損金不算入が原則ですが、期末の資本金の額(または出資金の額)に応じて、次の範囲で損金算入が認められています。

資本金1億円以下の法人:「年間800万円」と「接待飲食費の50%」の有利選択
資本金1億円以下の法人は、「年間800万円」と「接待飲食費の50%」のいずれか有利な方を事業年度ごとに選択することができます。
接待飲食費の50%が800万円を超えるのは、接待飲食費が年間1,600万円を超える場合です。ほとんどの中小法人は接待飲食費がこの水準に達しないため、「年間800万円」を選択することになります。つまり、資本金1億円以下の法人であれば、贈答品やゴルフ代なども含めた交際費等の合計が年間800万円以内に収まっている限り、全額を損金算入することができるということです。
800万円の枠について、注意点が2つあります。
- 事業年度が12か月未満の場合は月数按分:800万円×事業年度の月数÷12が上限になります。例えば設立1期目が6か月の場合、上限は400万円です。
- 大法人の100%子会社等は対象外:資本金が1億円以下でも、資本金5億円以上の法人による完全支配関係がある法人(100%子会社等)や一定の通算法人は800万円の枠を使うことができず、「接待飲食費の50%」のみが損金算入の対象になります。
資本金1億円超100億円以下の法人:接待飲食費の50%のみ
資本金1億円超100億円以下の法人は、800万円の枠がなく、接待飲食費の50%相当額のみを損金算入することができます。
贈答品、ゴルフ、慶弔費など飲食以外の交際費等は、金額にかかわらず全額が損金不算入です。
資本金100億円超の法人:全額損金不算入
資本金100億円超の法人は、接待飲食費の50%特例も適用されず、交際費等の全額が損金不算入です。
ただし、前述のとおり「1人当たり1万円以下の飲食費」は交際費等の範囲自体から除かれるため、書類保存の要件を満たせば損金算入することができます。
2-2 接待飲食費の範囲
「50%特例」の対象になる接待飲食費とは、交際費等のうち飲食その他これに類する行為のために要する費用で、帳簿書類に所定の事項(飲食の年月日、参加した事業関係者の氏名・名称と関係、金額、店名・所在地など)が記載されているものをいいます。
ただし、社内飲食費(自社の役員・従業員やその親族だけの飲食費)は除かれます。
飲食に関連する支出でも、接待飲食費に該当するものとしないものがあるため、区分に注意してください。
| 接待飲食費に該当するもの | 該当しないもの(交際費等にはなる) |
|---|---|
| ・取引先を接待した飲食代 ・飲食の際のテーブルチャージ料・サービス料 ・飲食のために支払う会場費 ・取引先の行事などに差し入れる弁当代 ・飲食店で飲食した後、その店の料理を持ち帰る土産代 |
・ゴルフ・観劇・旅行の行事の際の飲食費(行事全体の費用の一部として扱うため) ・接待する飲食店への送迎タクシー代 ・飲食物の詰め合わせ(お中元・お歳暮など)の贈答費用 ・社内飲食費 |
2-3 損金不算入額の計算例
資本金1億円以下の法人(事業年度12か月)を前提に、3つのケースで計算してみます。
ケース1:交際費等600万円(うち接待飲食費400万円)
- ①年間800万円 ②接待飲食費の50%=200万円 → ①を選択
- 交際費等600万円は800万円以内のため、全額損金算入(損金不算入額0円)
ケース2:交際費等1,000万円(うち接待飲食費900万円)
- ①年間800万円 ②接待飲食費の50%=450万円 → ①を選択
- 損金算入800万円、損金不算入額200万円
ケース3:交際費等2,500万円(うち接待飲食費2,000万円)
- ①年間800万円 ②接待飲食費の50%=1,000万円 → ②を選択
- 損金算入1,000万円、損金不算入額1,500万円
損金不算入となった金額には法人税等が課されるため、上限を超えた交際費等は「お金が出ていくのに税金は減らない」支出となります。交際費等の支出が多い会社は、期中から累計額を把握しておくことをおすすめします。

2-4 個人事業主との違い
個人事業主の交際費には、法人のような損金算入の上限額がありません。事業に直接必要な支出であれば、金額の制限なく必要経費に算入することができます。
ただし、上限がない分、「事業に直接必要かどうか」の判定は厳しく見られます。個人の場合、事業の支出と生活費(家事費)が混在しやすいため、税務調査では飲食や贈答の相手・目的が事業に関係するものかを細かく確認されます。事業との関連性を説明することができない支出は、金額の大小にかかわらず必要経費として認められません。
一方、法人の場合は年間800万円という明確な枠があるため、その範囲内で事業関係者との交際に計画的に支出することができます。交際費の支出が多い事業では、この点も法人化のメリットの1つとなります。
3. 税務調査時の対策
3-1 交際費が重点的に確認される理由
交際費は、法人の税務調査で重点的に確認される項目です。
理由は、経営者の私的な支出と業務上の支出の区分が曖昧になりやすく、他の勘定科目との区分も実態で判定されるためです。飲食店の領収書だけでは、それが取引先の接待なのか、家族との食事なのか、第三者には判断がつきません。
調査官は、領収書の日付・店名・金額と、参加者・目的の記録、会社の事業内容や取引先との関係を突き合わせて、交際費として計上された支出の実態を確認します。
3-2 否認される4つのパターン
① 私的な支出を交際費として計上していた場合
家族や友人との食事代など、事業と関係のない支出を交際費に計上していた場合、その支出は経費として認められません。
特に役員の私的な支出と認定された場合の影響は大きく、次の税負担が同時に発生します。
- 法人税:役員賞与(定期同額給与等に該当しない役員給与)として損金不算入になる
- 源泉所得税:役員個人への給与として源泉所得税の徴収漏れを指摘され、不納付加算税・延滞税が課される可能性がある(役員個人の所得にも加算されるため、住民税の負担も)
- 消費税:給与は消費税の課税対象外のため、仕入税額控除が否認される
② 他の科目で処理した費用が交際費等と認定された場合
会議費・福利厚生費・広告宣伝費などで処理していた費用が、実態は接待だったとして交際費等に振り替えられるパターンです。
振替の結果、交際費等の合計が損金算入の上限額を超えると、超えた部分が損金不算入となり、法人税の追徴が発生します。
夜の飲酒を伴う会食を会議費にしていた場合や、役員だけの食事会を福利厚生費にしていた場合などが典型例です。
③ 領収書の分割・改ざんをしていた場合
1人当たり1万円以下に収めるために参加人数を水増しして記録していた場合や、1回の飲食の領収書を複数回に分けて発行させていた場合は、仮装・隠蔽行為と認定され、追徴税額に加えて重加算税(追加本税の35%)が課される可能性があります。
④ 支出の相手先を明かせない場合(使途秘匿金)
相当の理由なく、支出の相手方の氏名・名称や住所、支出の事由を帳簿書類に記載していない支出は「使途秘匿金」とされます。
使途秘匿金は損金不算入となるだけでなく、支出額の40%相当額の法人税が追加で課されます(租税特別措置法62条)。通常の法人税と合わせると支出額に近い税負担となるため、相手先を記録できない支出を会社の経費にすることは避けましょう。

3-3 否認されないための対策
① 「何のために」を支出の都度記録する
日付・相手先・人数・金額・店名の記録は、1人当たり1万円以下の飲食費や接待飲食費の50%特例を適用するための法定の記載事項です。
これに加えて、「何のために」(商談内容や案件名などの接待の目的)も記録しておくと、事業との関連性を客観的に示すことができます。数年後の税務調査の際に記憶だけで説明することは難しいです。領収書の裏へのメモ書きや、会計ソフトの摘要欄への入力を、支出の都度行うルールにしておきましょう。
会議費・福利厚生費などで処理した支出も同じです。会議であれば議事メモや打ち合わせ資料、社内行事であれば全従業員への案内メールを残しておけば、指摘を受けるリスクを下げることができます。
② 領収書・記録を法定期間保存する
法人の帳簿書類の保存期間は7年(青色申告の欠損金が生じた事業年度は10年)です。
各経費に対応した領収書等をすぐに確認できるよう整理した上で保存しておきましょう。
香典・祝い金など領収書が発行されない支出は、日付・相手先・金額・内容の記録を残します。会計ソフトを使っている場合は経費登録時の摘要欄への入力でOKです。案内状や会葬礼状などもあわせて保存しておくとなおよしです。
③ 社内飲食費と私的支出を交際費に混ぜない
役員・従業員だけの飲食は社内飲食費として区分し、1万円基準や50%特例の対象に含めないよう経理処理を分けましょう。
また、経営者の私的な飲食を会社の経費にしないことは大前提です。私的な支出が交際費に紛れ込んでいる会社は、調査官に「他の経費も同様ではないか」という心証を与え、調査全体が厳しくなります。
4. Q&A
Q1. 取引先とのゴルフや旅行の際の飲食代も、1人当たり1万円以下なら交際費から除くことができますか?
A. できません。ゴルフ・観劇・旅行などの行事の際の飲食は、行事全体と一体の費用として扱われるため、金額にかかわらず全体が交際費等に該当します。接待飲食費(50%特例)にも該当しません。
ゴルフのプレー代、旅行代金、これらに伴う飲食代は、すべて交際費等として年間800万円の枠(中小法人の場合)の中で処理することになります。
ただし、ゴルフや旅行の前後に、行事とは別に単独で行われたと認められる飲食(解散後に改めて設けた会食など)は、飲食費として1万円基準や50%特例の対象になります。
Q2. 1人当たり1万円以下かどうかは、税込・税抜どちらで判定しますか?
A. 自社が採用している消費税の経理方式によります。
税抜経理方式の会社は税抜金額で、税込経理方式の会社は税込金額で判定します。
たとえば1人当たり税込11,000円(税抜10,000円)の会食は、税抜経理の会社では交際費等から除くことができますが、税込経理の会社では交際費等に該当します。税抜経理の方が判定上有利になります。
参考:国税庁|No.6917 交際費等の損金不算入額を算出する場合における消費税等の取扱い
Q3. 取引先への香典やご祝儀は領収書がありませんが、経費にすることはできますか?
A. できます。取引先の慶弔に伴う香典・祝い金は交際費等に該当します。
領収書の代わりに、日付・相手先・金額・内容の記録(出金伝票または会計ソフトの摘要欄への入力)と、葬儀の会葬礼状や結婚式の招待状などを保存しておきましょう。
なお、香典・祝い金は飲食費ではないため、50%特例の対象にはならず、800万円の枠で損金算入することになります。金銭の贈与であるため消費税は不課税で、仕入税額控除の対象にもなりません。
Q4. 接待の一次会と二次会は、まとめて1万円判定するのですか?
A. 全く別の飲食店で行われ、それぞれが単独の飲食と認められる場合は、店ごとに別々に判定することができます。一次会が1人当たり9,000円、二次会が1人当たり8,000円であれば、どちらも交際費等から除くことができます。
一方、同じ店で一次会・二次会と称して行った場合や、実質的に一連の飲食である場合は、合計額で判定します。
なお、接待後に取引先を送るタクシー代は飲食費に含まれず、金額にかかわらず交際費等に該当します。
Q5. 期末までに代金を支払っていない接待費用は、どちらの事業年度の交際費になりますか?
A. 接待などの行為があった事業年度の交際費等になります。
3月決算の会社が3月に接待を行い、支払いが4月になった場合でも、3月期の交際費等として未払計上します。
逆に、代金を前払いしていても、接待が翌期に行われる場合は翌期の交際費等となります。
Q6. 社長1人の会社でも、交際費を計上することはできますか?
A. できます。会社の規模や人数に関係なく、事業関係者への接待・贈答であれば交際費等として損金算入の対象になります。
ただし、社長1人の会社は接待の事実や業務上の必要性を客観的に示しにくく、私的支出との区分を厳しく確認されます。誰と・何の商談のために会食したのかの記録を必ず残し、家族との食事や1人での飲食を経費に含めないようにしましょう。
5. まとめ
以上、交際費の定義から損金算入の上限額、税務調査対策までを解説しました。
ポイントは次のとおりです。
- 交際費等とは、事業関係者に対する接待・供応・慰安・贈答などのための支出。
勘定科目の名称ではなく支出の実態で判定される - 1人当たり1万円以下の飲食費(社内飲食費を除く)は、参加者などの記録を残せば交際費等から除外することができる。基準金額は2024年4月から5,000円から1万円に
- 損金算入の上限額は法人規模で異なる
・資本金1億円以下:年間800万円または接待飲食費の50%の有利選択
・資本金1億円超100億円以下:接待飲食費の50%のみ
・資本金100億円超:全額損金不算入 - 税務調査では私的支出の混入・他科目交際費・使途秘匿金が確認される。
支出のたびに参加者・目的を記録し、領収書とあわせて保存することで否認リスクを下げることができる
交際費は、取引先との関係づくりに欠かせない支出ですが、記録が不十分だと税務調査で追徴につながりやすい費用です。そのため、日々の記録のルールを決めて運用することが重要になります。
当事務所では、交際費をはじめとする経費処理のチェック、経理体制づくり、税務申告、税務調査の対応まで、法人の税務をサポートしています。初回無料相談も承っておりますので、お気軽にご連絡ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
