freee会社設立とは?費用・流れ・メリット・デメリットをfreee認定アドバイザーの税理士が解説
Relyne(リライン)会計事務所の永野です。
freee会社設立は、フリー株式会社が提供する会社設立の支援サービスです。
画面のガイドに沿って入力するだけで、定款や登記申請書といった設立に必要な書類を無料で作成でき、累計5万社の設立に利用されています。
本記事では、freee会社設立の内容・費用・設立までの流れ・メリット・デメリットを、freee認定アドバイザーである公認会計士・税理士が解説します。
会社設立の手順全体については「【2026年版】自分でできる株式会社の設立手順を分かりやすく解説」も合わせてご参照ください。
目次
1. freee会社設立とは
1-1 freee会社設立の概要
freee会社設立は、フリー株式会社が提供する会社設立の支援サービスです。
画面のガイドに沿って商号・本店所在地・資本金などの情報を入力していくと、定款や登記申請書といった会社設立に必要な書類が無料で自動作成されます。
対応している会社形態は株式会社と合同会社の2つです。
書類の作成だけでなく、次に行う手続きが順番どおりに表示されるため、初めて会社を設立する方でも、公証役場での定款認証や法務局での登記申請まで迷わず進むことができます。
パソコンだけでなくスマホにも対応しており、書類作成から申請準備までスマホだけで完結させることも可能です。
参考:フリー株式会社|freee会社設立 無料で安心、簡単に設立手続き
1-2 作成できる書類
freee会社設立で作成できる書類のうち、代表的なものは次のとおりです。
| 提出先 | 作成できる書類 |
|---|---|
| 公証役場(株式会社のみ) | 定款(電子定款にも対応) |
| 法務局 | 設立登記申請書 登録免許税納付用台紙 発起人決議書 就任承諾書 払込を証する書面 印鑑(改印)届出書 など |
| 税務署・都道府県税事務所 | 法人設立届出書 青色申告の承認申請書 給与支払事務所等の開設届出書 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 |
| 年金事務所 | 健康保険・厚生年金保険 新規適用届 |
1-3 なぜ無料で使えるのか
「無料」と聞くと、後から費用を請求されるのではないかと不安に感じるかもしれませんが、freee会社設立の利用料は本当に0円です。
無料で提供できるのは、設立後にfreee会計やfreee人事労務といった有料サービスを利用してもらうことを見込んでいるためです。
会社を設立すれば経理や給与計算が必ず発生するため、設立時にfreeeで情報を入力してもらい、そのデータを引き継いでfreee会計を使い始めてもらうという流れを想定しています。
ただし、利用したからといってfreee会計の契約を強制されることはなく、書類作成だけ使って会計ソフトは別のものを選ぶこともできます。
2. freee会社設立を使った場合の費用
2-1 実際にかかる費用
freee会社設立の利用料は0円のため、実際に支払うのは登録免許税や定款認証手数料といった法定費用が中心となります。電子定款を選択した場合の費用は次のとおりです。
| 項目 | 株式会社 | 合同会社 |
|---|---|---|
| freee会社設立の利用料 | 0円 | 0円 |
| 定款の収入印紙代 | 0円(電子定款) | 0円(電子定款) |
| 電子定款の事務手数料 | 5,000円 | 5,000円 |
| 定款認証手数料 | 1万5,000円〜5万円 | 不要 |
| 定款の謄本請求手数料 | 2,000円前後 | 不要 |
| 登録免許税 | 15万円〜 | 6万円〜 |
| 合計目安 | 約17万〜20万円 | 約6万円 |
登録免許税は「資本金×0.7%」と最低額(株式会社15万円・合同会社6万円)の大きい方です。
定款認証手数料は資本金の額に応じて3万〜5万円で、資本金100万円未満・発起人3人以下など一定の要件を満たすと1万5,000円になります。
なお、市区町村の「特定創業支援等事業」の証明書を取得すると、登録免許税が半額(株式会社7万5,000円・合同会社3万円)になります。この制度はfreee会社設立を使う場合でも併用できます。
会社設立費用・特定創業支援等事業については、下記記事でそれぞれ解説しています。
「会社設立の費用はいくらかかる?内訳・節約方法・資金調達まで税理士が解説」
「特定創業支援等事業とは?メリット・利用の流れから東京都の創業支援制度まで公認会計士・税理士が解説」
2-2 電子定款で収入印紙代4万円が不要になる
定款には紙と電子の2種類があり、紙定款には4万円分の収入印紙を貼付する必要があります。
一方、電子定款(PDF形式で作成する定款)には収入印紙が不要のため、電子定款を選ぶだけで4万円を節約できます。
ただし、電子定款を自分で作成するには、マイナンバーカードの電子証明書、ICカードリーダライタ、電子署名に対応したソフトを揃える必要があります。
freee会社設立であれば、提携する行政書士に電子定款の作成・認証手続きを委任する形をとるため、機材を何も揃えずに電子定款を利用できます。
2-3 電子定款利用の事務手数料5,000円が無料になる条件
電子定款を選択した場合、事務手数料として5,000円がかかります。
この事務手数料5,000円は、freee会計またはfreee人事労務を年間契約すると無料になります。
設立後にfreee会計を使う予定であれば、年間契約とセットにすることで、電子定款の費用負担なしで印紙代4万円の節約効果だけを受けることができます。
また、当事務所はfreee認定アドバイザーのため、当事務所を経由してfreee会計を契約する場合には割引クーポンをお渡しすることができます。freee会計の導入を予定している方は、契約前にご相談ください。
参考:フリー株式会社|電子定款の作成・認証を格安で代行!自分で設立するならfreee会社設立
3. freee会社設立を使った会社設立の流れ

3-1 アカウント登録と基本情報の入力
メールアドレスまたはGoogleアカウントで無料登録すると、すぐに入力を始めることができます。
入力する内容は、商号(会社名)、本店所在地、事業目的、資本金、決算月、役員構成といった会社の基本事項です。
画面のガイドに補足説明が付いているため入力方法で迷うことは少ないですが、入力する内容自体は事前に決めておく必要があります。
3-2 定款の作成・認証
基本事項の入力が終わると、その内容を反映した定款が自動で作成されます。
電子定款を選択した場合は、画面上からfreee提携の行政書士に電子化を依頼します。依頼から電子定款の完成までは数日かかるため、設立日を急ぐ場合はこの日数も織り込んでおきましょう。
株式会社の場合は、完成した定款について公証役場で認証を受けます。事前に公証役場とやり取りしたうえで、指定日時に公証役場へ出向くか、オンラインで認証を受けます。
合同会社は定款認証が不要のため、この手続きはありません。
3-3 資本金の払い込みと登記申請
定款が完成したら、発起人の個人口座に資本金を払い込み、通帳のコピー等と組み合わせて払込証明書を作成します。この書類もfreee会社設立で出力できます。
その後、設立登記申請書などの登記書類一式を法務局に提出します。
提出方法は、法務局の窓口への持参、郵送、マイナンバーカードを使ったオンライン申請から選ぶことができます。登記申請をした日が会社の設立日となるため、設立日にこだわりがある場合は申請日から逆算して準備を進めましょう。
申請から登記完了までは1週間前後かかるため、freee会社設立の利用開始から数えると、株式会社で2週間程度、合同会社で1〜2週間程度が設立完了までの目安となります。
3-4 設立後の手続き
登記完了後は、税務署・都道府県・市区町村への法人設立届出書、青色申告の承認申請書、年金事務所への社会保険の新規適用届など、各所へ届出が必要です。
freee会社設立では、これらの設立後の書類も入力済みの情報から作成できます。
設立後の各手続きについては、下記記事でそれぞれ解説しています。
「法人設立届出書の提出先・期限・書き方|会社設立後の手続きを税理士が解説」
「法人の青色申告とは?メリット・提出期限・注意点を税理士が解説」
「給与支払事務所等の開設届出書とは?提出期限・提出先・書き方を税理士が解説」
「源泉所得税の納期の特例とは?適用条件・申請書の書き方・注意点を税理士が解説」
「会社設立後の社会保険の加入手続きを公認会計士・税理士が解説|加入義務から必要書類・期限・未加入のリスクまで」
4. freee会社設立のメリット
4-1 書類作成が無料で、入力は画面のガイドに沿うだけで簡単
定款や登記書類をゼロから自分で作ろうとすると、ひな形を探し、法務局のホームページで記載例を確認しながら書き上げることになり、慣れていない方だと数日単位の時間がかかります。記載に不備があれば法務局から補正を求められ、設立日が後ろにずれることもあります。
freee会社設立では、質問に答える形で入力するだけで整合のとれた書類一式が完成するため、書類作成にかかる時間と記載ミスのリスクを大幅に減らすことができます。それでいて利用料は0円のため、司法書士に設立登記を依頼した場合の報酬(5〜15万円程度)と比べて費用を大きく抑えることができます。
4-2 機材を揃えずに電子定款を利用できる
電子定款を自分で作成するにはICカードリーダライタや電子署名ソフトの準備が必要です。
freee会社設立なら行政書士への委任で電子定款を作成できるため、機材を一切揃えずに収入印紙代4万円を節約できます。この点だけでも、完全に自力で設立するよりお得です。
4-3 設立後に必要な書類をまとめて作成できる
法人設立届出書や青色申告の承認申請書といった設立後の届出書類は、提出先も期限もばらばらで、抜け漏れが起こりやすいです。
freee会社設立では、設立時に入力した情報を使って設立後の届出書類まで作成でき、やるべき手続きが一覧で表示されます。登記後にどの書類をどこへ提出するのかを自分で調べ直す必要がなく、提出漏れを防ぐことができます。
4-4 入力したデータをfreee会計に引き継げる
設立時に入力した会社情報は、そのままfreee会計の初期設定に引き継ぐことができます。
会社を設立すると、日々の取引の記帳、請求書の発行、決算・申告と経理業務が続きますが、設立から経理・申告までを同じfreeeシリーズで進めることができるため、二重入力や設定のやり直しが発生しません。
4-5 無料相談や関連サービスが充実している
freee会社設立には、起業ダンドリコーディネーターと呼ばれる無料の相談窓口があり、手続きの進め方についてオンライン面談・メール・電話で質問することができます。
また、法人印鑑の購入・法人口座の開設・ビジネスカードの発行・創業融資のサポートといった関連サービスも用意されており、設立に付随して必要になるものをまとめて準備できます。
創業融資については「創業融資とは?日本政策金融公庫の制度内容・申込みの流れ・審査のポイントを公認会計士・税理士が解説」も合わせてご参照ください。
5. freee会社設立のデメリット・注意点
5-1 会社の基本事項は自分で決める必要がある
freee会社設立が自動でやってくれるのは、決めた内容を書類に反映する部分です。
商号、事業目的、本店所在地、資本金、決算月、会社形態といった会社の設計そのものは、自分で決める必要があります。
このうち、次の項目は設立後の経営にも影響します。
- 事業目的
許認可が必要な事業は特定の記載が必要です
後から追加するには3万円の登録免許税がかかります - 資本金
金額が小さすぎると、融資審査や法人口座開設の可否、取引先からの信用に影響します - 決算月
繁忙期と決算作業が重なると、本業に支障が出ます - 株式会社か合同会社か
合同会社は設立費用が安い一方、信用面では株式会社に劣ります
事業目的の書き方、資本金・決算月の決め方、株式会社と合同会社の違いについては、下記記事でそれぞれ解説しています。
「【記載例付き】定款の事業目的の書き方|5つのポイントを税理士が解説」
「会社設立の資本金はいくらが最適?決め方と注意点を税理士が解説」
「会社設立時の決算月はいつがいい?決め方の5つのポイントを税理士が解説」
「株式会社と合同会社の違いは?メリット・デメリットと選び方を税理士が解説」
5-2 対応しているのは株式会社と合同会社のみ
freee会社設立が対応しているのは株式会社と合同会社の2形態です。
一般社団法人、NPO法人、合資会社・合名会社などを設立したい場合は利用できないため、専門家への依頼や他の方法を検討する必要があります。
もっとも、営利目的で会社を設立する場合、選択肢は株式会社か合同会社の実質2択ですので、ほとんどの方にとってこの制約が問題になることはありません。
5-3 定款認証や登記申請の手続きは自分で行う必要がある
freee会社設立は書類作成と手順案内のサービスであり、公証役場とのやり取りや法務局への登記申請は自分で行う必要があります。専門家がすべて代行する設立代行サービスとは異なります。
平日に公証役場や法務局とやり取りする時間が取れない方や、手続きそのものを丸ごと任せたい方向けには、freeeにも専門家が設立を代行する有料の「登記おまかせプラン」が用意されています。自分でやる時間と代行費用を比較して選びましょう。
5-4 税務の個別相談はできない
freeeの起業ダンドリコーディネーターに相談できるのは、手続きの進め方や事業開始に向けた一般的な内容までです。自社の状況を踏まえて資本金や役員報酬をいくらにすべきかといった個別の税務相談は税理士の独占業務のため、freeeのサポート窓口では回答できません。
判断に迷う場合は、freee会社設立への入力を始める前に税理士へ相談しましょう。
税理士に相談できる内容については「会社設立に税理士は必要?相談できること・依頼費用・選び方を公認会計士・税理士が解説」も合わせてご参照ください。

6. 利用前に準備しておくもの
freee会社設立をスムーズに進めるために、次のものを事前に準備しておきましょう。
| 準備するもの | 内容 |
|---|---|
| 発起人全員の印鑑証明書 | 定款認証と登記申請で使用します 実印を市区町村に登録していない方は、印鑑登録から必要です |
| 法人の実印(代表者印) | 印鑑届出書の提出に使用します freee会社設立の画面から購入することもできます |
| 資本金 | 発起人の個人口座に払い込みます 会社の運転資金にもなるため、余裕を持った金額を用意します |
| 登録免許税 | 株式会社15万円〜、合同会社6万円〜 資本金とは別に必要です |
| マイナンバーカード | 登記をオンライン申請する場合に必要です 窓口・郵送で申請する場合は不要です |
| CD-R | 電子定款を選択し、書面で登記申請する場合に、電子定款データの提出用として必要です |
7. Q&A
Q1. freee会社設立を使うと、設立完了までどれくらいかかりますか?
A. 株式会社で2週間程度、合同会社で1〜2週間程度が目安となります。
Q2. スマホだけで会社設立できますか?
A. できます。
freee会社設立はスマホに対応しており、書類作成から申請準備までスマホだけで進めることが可能です。ただし、定款は設立後に変更すると別途費用と手続きがかかる書類ですので、完成した書類の最終確認は画面の大きいパソコンで行うことをおすすめします。
Q3. マネーフォワード会社設立や弥生のかんたん会社設立との違いは何ですか?
A. 3社ともツール利用料は無料で、作成できる書類や手続きの流れに大きな差はありません。
電子定款の費用も3社とも5,000円で、各社の会計ソフトを契約すると無料になる点も共通です。
- freee会社設立
電子定款の事務手数料5,000円。freee会計またはfreee人事労務の年間契約で無料 - マネーフォワード クラウド会社設立
電子定款の作成費用5,000円。マネーフォワード クラウドの法人向けプラン契約で無料 - 弥生のかんたん会社設立
電子定款の作成依頼料5,000円。弥生会計Nextの年契約で無料
つまり、会社設立費用で差はつきません。
設立ツールを使うのは数週間だけで、会計ソフトはその後何年も使い続けることになります。
設立後にどの会計ソフトを使うかを先に決めて、それと同じ系列の設立サービスを選ぶことをおすすめします。
会計ソフトの選び方については「会計ソフトの選び方を公認会計士・税理士が解説|種類・確認すべき7つのポイント・法人におすすめのソフトまで」で解説しています。
Q4. 会社の実印(印鑑)は必ず必要ですか?
A. オンラインで登記申請する場合、法務局への印鑑の届出は任意とされています。
ただし、銀行口座の開設や重要な契約の締結では法人実印と印鑑証明書を求められるため、設立時に作成しておくことをおすすめします。実印・銀行印・角印の3本セットで1万円前後から購入でき、freee会社設立の画面からも注文できます。
Q5. 個人事業主からの法人化(法人成り)でも使えますか?
A. 使えます。
会社を新規設立する手続き自体は同じです。
ただし、法人化の場合は会社設立に加えて、個人事業の廃業届の提出、資産・負債の引き継ぎ、取引先との契約の巻き直しなど、法人化特有の対応が必要です。
Q6. freee会社設立を使えば、税理士に依頼しなくても大丈夫ですか?
A. 書類の作成と提出はfreee会社設立だけで完結できます。
ただし、資本金・決算月・役員報酬といった設立前の設計や、設立後の決算・申告には税理士に依頼することをおすすめします。特に法人税の申告書は個人の確定申告より格段に複雑なため、自力で作成するのは現実的ではありません。
8. まとめ
freee会社設立について、内容・費用・流れ・メリット・デメリットを解説しました。
ポイントは次のとおりです。
- freee会社設立は株式会社・合同会社の設立書類を無料で作成できるサービス
設立後の届出書類まで対応している - 電子定款を選べば収入印紙代4万円が不要になる
事務手数料5,000円はfreee会計またはfreee人事労務の年間契約で無料 - 設立完了までの目安は株式会社で2週間程度、合同会社で1〜2週間程度
- 資本金・決算月など会社の基本事項の決定と定款認証・登記申請の手続きは自分で行う
- 個別の税務判断はfreeeのサポートでは対応できないため、設立前の設計は税理士に相談する
当事務所では、freee認定アドバイザーとして、フリー株式会社と連携した専門家報酬0円の会社設立サポートを行っています。会社設立手続きはもちろん、資本金・決算月・役員報酬・消費税といった設立前の設計から、創業融資、設立後の経理体制づくりまで一貫して対応しています。
初回無料相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
最後までご覧いただきありがとうございました。

この記事を書いた人
永野 隆丞(公認会計士・税理士)
日本公認会計士協会 東京会 46468号/東京税理士会 157067号
Relyne(リライン)会計事務所 代表。
有限責任監査法人トーマツ、ミネベアミツミ株式会社での監査・経理実務を経て、東京都千代田区で開業しました。クラウド会計freeeを活用した創業期の会社のサポートを強みとしています。ブログ記事は顧問先様に実際に説明するときにも活用しており、会計や税金に初めて触れる方でも分かりやすい内容を心がけています。趣味はサッカー観戦・野球・将棋です。
