千代田区の税理士「Relyne会計事務所」

千代田区の税理士「Relyne会計事務所」
【対応地域】東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県など関東圏中心に全国リモート対応

070-8467-0751

電話受付時間 : 平日9:00~17:00 休業日:土日祝

メール対応は24時間受け付けております。

お問い合わせはこちら

一括償却資産とは?メリット・デメリット・少額減価償却資産との違いを税理士が解説

Relyne(リライン)会計事務所の永野です。

取得価額10万円以上20万円未満のパソコンや備品などは、一括償却資産として3年間で3分の1ずつ損金(経費)にすることができます。どの会社でも使うことができ、償却資産税がかからないため、少額減価償却資産の特例と並びよく使われています。

本記事では、一括償却資産の内容、メリット・デメリット、少額減価償却資産の特例との違い、会計処理、申告の手続きを公認会計士・税理士が解説します。

1. 一括償却資産とは

1-1 概要

一括償却資産とは、取得価額20万円未満の減価償却資産をまとめて、使い始めた事業年度から3年間で3分の1ずつ損金(経費)にできる制度です(法人税法施行令第133条の2)。

個人事業主の所得税にも同じ内容の制度があります(所得税法施行令第139条)。

通常、パソコンや事務机などの備品は、資産の種類ごとに定められた法定耐用年数に応じて数年に分けて損金にします(減価償却)。例えば、パソコンの耐用年数は4年、金属製の事務机は15年、エアコンは6年となっています。

しかし、一括償却資産にすると、耐用年数に関係なく3年で損金にすることができます。

取得価額10万円未満のものは買った年に全額を消耗品費などで損金にすることができるので、実際の一括償却資産の対象は取得価額10万円以上20万円未満のものとなります。

一括償却資産の特徴は次のとおりです。

  • 申告方法、会社規模に関係なく、全ての会社と個人事業主が使うことができる
  • 少額減価償却資産の特例のような適用期限や年間の上限額がない
  • 20万円未満の資産のうち、どれを一括償却資産にするかは資産ごとに選ぶことができる

参考:e-Gov法令検索|法人税法施行令第133条の2(一括償却資産の損金算入)
参考:国税庁|主な減価償却資産の耐用年数表

1-2 対象となる資産・ならない資産

一括償却資産の対象となるのは、取得価額20万円未満の減価償却資産です。
有形・無形、新品・中古を問いません。

資産 対象 補足
パソコン、モニター、複合機、事務机、椅子などの器具備品
照明、換気扇などの建物附属設備、工具
ソフトウェア 無形減価償却資産も対象
中古で買った備品 新品・中古を問わない
リースで借りた資産
(所有権移転外リース取引)
リース資産は対象外
貸付けに使う資産
(主要な事業として貸し付けるものを除く)
令和4年4月1日以後の取得分から除外
土地、販売するための商品、事務所の礼金 減価償却資産ではない

1-3 取得価額の判定

20万円未満かどうかは、通常1単位として取引される単位ごとに判定します。

例えば、応接セットは通常一組で取引されるため、テーブルと椅子を合わせて1組で判定します。
一方、パソコン本体とモニターのように単独で使えるものは別々に判定でき、本体18万円・モニター5万円であれば、本体は一括償却資産、モニターは消耗品費として処理できます。

取得価額には、本体の価格に加えて、引取運賃や購入手数料、設置費用など事業に使い始めるまでにかかった費用も含めます。19万円のパソコンに設置費用1万5,000円がかかれば、取得価額は20万5,000円となり一括償却資産にはできません。

消費税は、税抜経理の会社は税抜金額、税込経理の会社と免税事業者は税込金額で判定します。
税抜19万円(税込20万9,000円)の複合機は、税抜経理の会社は一括償却資産にできますが、税込経理の会社は通常の減価償却か少額減価償却資産の特例で処理することになります。

参考:国税庁|No.5403 少額の減価償却資産になるかどうかの判定の例示
参考:国税庁|No.5400 減価償却資産の取得価額に含めないことができる付随費用

1-4 損金算入額の計算

法人の各事業年度の損金算入限度額は、次の算式で計算します。

その事業年度に使い始めた一括償却資産の取得価額の合計額 ÷ 36 × その事業年度の月数

事業年度が12か月の会社であれば、36分の12、つまり3分の1です。

3月決算の会社が令和8年10月に18万円のパソコンを買った場合の損金算入額は次のとおりです。

事業年度 計算 損金算入額
1年目(令和8年4月〜令和9年3月) 180,000円×12/36 60,000円
2年目(令和9年4月〜令和10年3月) 180,000円×12/36 60,000円
3年目(令和10年4月〜令和11年3月) 180,000円×12/36 60,000円
合計 180,000円

設立初年度など事業年度が12か月に満たない場合は、その事業年度の月数で按分します
(1か月未満の端数は1か月に切上げ)

例えば、令和8年9月20日に設立した3月決算の会社が、初年度に18万円のパソコンを買った場合、初年度(令和8年9月20日〜令和9年3月31日)は6か月と12日を7か月として計算し、残りは4年目に損金になります。

事業年度 計算 損金算入額
1年目(7か月) 180,000円×7/36 35,000円
2年目(12か月) 180,000円×12/36 60,000円
3年目(12か月) 180,000円×12/36 60,000円
4年目(残額) 180,000円×5/36 25,000円

個人事業主は暦年で計算するため、年の途中で開業した年も3分の1を必要経費にします。
18万円のパソコンを買った場合の損金算入額

2. 一括償却資産のメリット

2-1 償却資産税がかからない

償却資産税は、事業に使っている機械や備品などの償却資産に対して市区町村(東京23区は都税事務所)が課税する固定資産税で、毎年1月1日時点で持っている資産を1月31日までに申告します。税額は評価額の合計(課税標準額)の1.4%です。

一括償却資産として損金にしているものは、この償却資産税の申告対象になりません
(地方税法第341条第4号、同法施行令第49条)

一方、少額減価償却資産の特例で全額を損金にしたものや、通常の減価償却をしている資産は申告対象になります。同じ18万円のパソコンでも、一括償却資産にすれば償却資産税はかからず、特例で全額損金にすれば申告対象になります。

ただし、償却資産税は課税標準額が180万円未満であれば課税されません。
(令和8年度税制改正で150万円から引き上げられ、令和9年度分の申告から適用)
備品がパソコン・椅子・机くらいの会社であれば、特例を使っても償却資産税はかかりません。

参考:東京都主税局|固定資産税(償却資産)

2-2 月割計算が不要で計算が簡単

通常の減価償却は、使い始めた月から決算月までの月数で償却費を月割計算します。3月決算の会社が令和9年3月に18万円のパソコンを買った場合、定率法(耐用年数4年・償却率0.500)の1年目の償却費は、180,000円×0.500×1/12=7,500円です。

一括償却資産であれば事業年度の月数で計算するため、決算月に買っても、期首に買った場合と同じ6万円を損金にすることができます

また、資産ごとに耐用年数や償却率を調べる必要がなく、同じ年に買った資産の合計を3で割るだけで毎年の損金算入額が決まります。

2-3 全ての会社が使うことができ、年間の上限がない

少額減価償却資産の特例は青色申告をしている中小企業者等しか使うことができず、1事業年度の上限が300万円となっています(現在の適用期限は令和11年3月31日まで)。

一括償却資産であれば全ての事業者が使うことができ、年間の上限額も適用期限もありません

そのため、特例の300万円の枠を20万円以上の資産で使い切りそうな年は、20万円未満の資産を一括償却資産に回すことで、枠を有効に使うことができます。

3. 一括償却資産のデメリット

3-1 買った年の損金は3分の1にとどまる

青色申告をしている中小企業者等であれば、20万円未満の資産は少額減価償却資産の特例で買った年に全額を損金にすることができます。

18万円のパソコンであれば、特例なら1年目の損金が18万円、一括償却資産なら6万円です。
法人税等の実効税率を30%とすると、1年目の税金は特例のほうが36,000円少なくなります。

ただし、3年間で損金にする合計額は同じですので、納税額の合計は変わりません

3-2 途中で廃棄・売却しても残額を一時に損金にできない

通常の減価償却資産は、廃棄すれば残りの帳簿価額を除却損として損金にすることができます。

一方、一括償却資産は、3年の途中で廃棄や売却をしても、残額を一時に損金にすることはできず、3分の1ずつの損金算入を続けます(法人税基本通達7-1-13)。

18万円のパソコンを2年目に故障で廃棄した場合、帳簿に残っている12万円を除却損にすることはできず、2年目・3年目に6万円ずつ損金にする処理を続けます。

これは、一括償却資産が資産1つ1つを個別に管理しなくてよいことを前提にした処理だからです。

参考:国税庁|一括償却資産を除却した場合の取扱い

3-3 使い始めた事業年度の申告書に記載が必要

法人が一括償却資産の損金算入を使うには、資産を使い始めた事業年度の確定申告書に、一括償却資産の取得価額の合計額を記載した別表16(8)を添付する必要があります
(法人税法施行令第133条の2第11項・第12項)

使い始めた事業年度の申告書に記載がなければ、その資産を一括償却資産にすることはできず、翌期以降にさかのぼって選ぶこともできません。

また、いったん一括償却資産にした資産を、翌期以降に通常の減価償却や少額減価償却資産の特例に変更することもできません。
一括償却資産のメリット・デメリット

4. 少額減価償却資産の特例・通常の減価償却との違い

4-1 3つの処理の比較表

取得価額10万円以上20万円未満の資産は、一括償却資産、少額減価償却資産の特例、通常の減価償却の3つから資産ごとに選ぶことができます。

一括償却資産 少額減価償却資産の特例 通常の減価償却
対象となる取得価額 20万円未満 40万円未満 10万円以上全て
使える会社 全ての会社 青色申告の中小企業者等 全ての会社
損金になる時期 3年間で3分の1ずつ 買った年に全額 耐用年数に応じて
月割計算 不要 不要 必要
償却資産税 対象外 対象 対象
年間の上限額 なし 300万円 なし
途中で廃棄した場合 残額は3年で損金 残額ゼロのため損益なし 残額を除却損に
申告書に添付する別表 別表16(8) 別表16(7)
適用額明細書
別表16(1)・(2)

4-2 どれを選ぶか

青色申告をしている中小企業者等であれば、少額減価償却資産の特例か一括償却資産のどちらかを選びます。20万円未満の資産にあえて通常の減価償却を選ぶ理由はありません。

償却資産が少なく課税標準額が180万円未満の会社は、特例で買った年に全額損金にしましょう。

課税標準額が180万円以上の会社は、特例を使うと20万円未満の備品にも償却資産税がかかるため、特例による1年目の税金の減少額と、償却資産税の合計額を比べて選びます。

白色申告の場合や、特例の300万円の枠を使い切る年は、一括償却資産を選ぶことになります。

少額減価償却資産の特例については「少額減価償却資産の特例とは?40万円未満への引上げ・取得価額ごとの処理・適用要件・申告方法を税理士が解説」をご参照ください。

5. 会計処理

5-1 一括償却資産の仕訳例

一括償却資産は、購入時に工具器具備品などの固定資産に計上し、決算で減価償却処理をします。

税抜経理の会社が、18万円(税抜)のパソコンを普通預金で買った場合の仕訳は次のとおりです。

購入時

借方 金額 貸方 金額
工具器具備品 180,000円 普通預金 198,000円
仮払消費税 18,000円

決算時(1年目・2年目・3年目とも同じ)

借方 金額 貸方 金額
減価償却費 60,000円 工具器具備品 60,000円

3年目の決算で帳簿価額はゼロになります。通常の減価償却のように1円を残す必要はありません。

決算時の仕訳は、貸方を減価償却累計額にする間接法でも構いません。

勘定科目に一括償却資産という科目を設けている会社もありますが、貸借対照表上の科目は工具器具備品などのままで、固定資産台帳で一括償却資産として管理すれば問題ありません。

なお、購入時に全額を消耗品費で処理し、法人税の申告書で限度額を超える部分を加算して翌期以降に減算する方法も認められています(法人税法施行令第133条の2第9項)。
しかし、この方法では固定資産台帳に載らず、別表16(8)の記載も複雑になります。
一括償却資産は固定資産台帳に登録し、減価償却費で処理しましょう

5-2 一括償却資産を途中で売却した場合の仕訳

3-2のとおり、一括償却資産を途中で売却しても3分の1ずつの損金算入は続きます。
売却代金は、その全額を収益に計上します。

2年目に上記のパソコンを4万円(税抜)で売却した場合の仕訳は次のとおりです。

売却時

借方 金額 貸方 金額
普通預金 44,000円 雑収入 40,000円
仮受消費税 4,000円

決算時(2年目・3年目)

借方 金額 貸方 金額
減価償却費 60,000円 工具器具備品 60,000円

売却したパソコンの帳簿価額12万円と売却代金4万円の差額を固定資産売却損にはできません。
廃棄した場合も同じで、除却の仕訳はせず、2年目・3年目に6万円ずつ減価償却費を計上します。

5-3 消費税の取扱い

消費税の仕入税額控除は、一括償却資産にするかどうかに関係なく、資産を買った課税期間に取得価額全体に対して受けることができます。

仕入税額控除を受けるには売手が発行したインボイス(適格請求書)の保存が必要です。売手が免税事業者などでインボイスがない場合は、仕入れを行った日時点の経過措置の割合(令和8年9月30日までは80%、令和8年10月1日から令和10年9月30日までは70%)だけ控除することができます。

このとき、控除できない消費税分は資産の取得価額に含めて20万円未満かどうかを判定します。

例えば、令和8年10月以後に免税事業者から税抜19万円の中古の複合機を買った場合、控除できない消費税5,700円(19,000円×30%)を加えた195,700円が取得価額となり、一括償却資産にすることができます。一方、税抜19万5,000円であれば、控除できない消費税5,850円(19,500円×30%)を加えた200,850円が取得価額となり、一括償却資産にはできません。

消費税・インボイス制度については、下記記事でそれぞれ解説しています。
【図解】消費税の仕組みを税理士が徹底解説|納税義務の判定・計算方法からインボイスまで
インボイス制度とは?仕組み・登録の判断・売り手と買い手それぞれの対応を税理士が解説

5-4 freee会計での登録方法

freee会計では、購入時の取引を工具器具備品などの科目で登録した後、固定資産台帳に資産を登録し、償却方法で「一括償却」を選びます。これで取得価額の3分の1が減価償却費として毎期自動で計上されます。

少額減価償却資産の特例を使う資産は「少額償却」、通常の減価償却をする資産は「定率法」または「定額法」を選びます。

参考:freeeヘルプセンター|固定資産の償却方法

会計ソフトの選び方については「会計ソフトの選び方を公認会計士・税理士が解説|種類・確認すべき7つのポイント・法人におすすめのソフトまで」もあわせてご参照ください。

6. 申告の手続き

6-1 法人:別表16(8)の書き方

法人が一括償却資産の損金算入を使うには、次の2つが必要です。

  • 資産を使い始めた事業年度から、毎期3分の1を減価償却費などで費用処理する(損金経理)
  • 別表16(8)「一括償却資産の損金算入に関する明細書」を確定申告書に添付する

少額減価償却資産の特例と違い、租税特別措置法の制度ではないため、適用額明細書は不要です。

別表16(8)は、資産1つずつではなく、一括償却資産を使い始めた事業年度ごとに1列を使います。

3月決算の会社が令和8年10月に18万円のパソコンを購入した場合の記載は次のとおりです。
(1年目:令和8年4月〜令和9年3月)
別表16(8)一括償却資産の損金算入に関する明細書の記載例

  • 「1」事業の用に供した事業年度
    一括償却資産を使い始めた事業年度を記載します(例:令和8年4月1日〜令和9年3月31日)
    2年目・3年目の申告でも、この列にはこの事業年度を記載します
  • 「2」取得価額の合計額
    その事業年度に使い始めた一括償却資産の取得価額の合計を記載します(例:180,000円)
  • 「3」当期の月数
    申告する事業年度の月数を記載します(例:12)
    ※使い始めた日からの月数ではありません
  • 「4」当期分の損金算入限度額
    「2」×「3」÷36で計算します(例:60,000円)
  • 「5」当期損金経理額
    会計上、当期に減価償却費などで費用処理した金額を記載します(例:60,000円)
  • 「6」損金算入不足額・「7」損金算入限度超過額
    「4」と「5」の差額を記載します
    毎期3分の1ずつ費用処理していればどちらもゼロです
  • 「8」〜「10」
    前期以前に限度額を超えて費用処理した金額(「7」)がある場合に、その繰越額と当期に損金と認められる金額を記載します。毎期3分の1ずつ費用処理していればいずれもゼロです

2年目・3年目の申告でも、同じ列に「3」当期の月数12、「4」60,000円、「5」60,000円と記載します。3年目の申告が終われば、この列の記載は不要になります。

翌期以降に新たに一括償却資産を買った場合は、その事業年度の列を追加します。
列は5つあるので、3年間で買った一括償却資産を並べて記載することができます。

参考:国税庁|法人税及び地方法人税の申告(法人税申告書別表等)

6-2 個人事業主:青色申告決算書の書き方

個人事業主は、青色申告決算書の3枚目「減価償却費の計算」欄に、その年に買った一括償却資産を1行にまとめて次のように記載します。

記載内容
減価償却資産の名称等 「一括償却資産」
取得年月 買った年(例:令8)
取得価額 その年に買った一括償却資産の合計額
償却の基礎になる金額 取得価額と同じ金額
償却方法・耐用年数 記載不要
償却率 「1/3」
本年分の普通償却費 取得価額の3分の1
事業専用割合 事業に使っている割合(例:100)
本年分の必要経費算入額 普通償却費×事業専用割合
未償却残高 取得価額から償却済みの金額を差し引いた残高

2年目・3年目も同じ行を記載し、未償却残高は3年目にゼロになります。
買った年が違う一括償却資産は、年ごとに別の行にします。

7. Q&A

Q1. 一括償却資産の4年目以降はどうなりますか?

A. 4年目以降の損金算入はありません。

事業年度が12か月の会社であれば、3年目の決算で取得価額の全額が損金になり、帳簿価額もゼロになります。

設立初年度など12か月に満たない事業年度に買った一括償却資産だけは、1-4のとおり初年度の損金算入額が月数按分で少なくなるため、残額が4年目の損金になります。

Q2. 一括償却資産も帳簿価額1円を残しますか?

A. 残しません。

帳簿価額1円を残すのは、法定耐用年数で減価償却する資産です。一括償却資産は取得価額の全額を3年で損金にするので、3年目の決算で帳簿価額はゼロになります。

Q3. 一括償却資産は固定資産台帳に載せなくてもよいですか?

A. 固定資産台帳に載せましょう。

一括償却資産の損金算入を使うには、取得価額の計算に関する書類を保存する必要があります。
また、償却資産税の申告では、市区町村から一括償却資産として処理していることの確認を求められることがあり、固定資産台帳がその根拠になります。

Q4. 会計ソフトに一括償却資産という勘定科目がありません。どう処理しますか?

A. 工具器具備品など、資産の内容に合った科目で登録します。

一括償却資産は税法上の処理の区分であり、勘定科目の名前ではありません。freee会計をはじめ多くの会計ソフトでは、購入時の取引を工具器具備品などの科目で登録し、固定資産台帳の償却方法で一括償却を選ぶ形になっています。

Q5. 中古で買った15万円のパソコンも一括償却資産にできますか?

A. できます。

一括償却資産は新品・中古を問いません。中古品の場合、通常の減価償却では中古資産の耐用年数を見積もる必要がありますが、一括償却資産にすれば耐用年数を調べる必要はなく、3年で損金にします。

Q6. 取得価額が20万円以上30万円未満や40万円未満の資産は一括償却資産にできますか?

A. できません。

一括償却資産の対象は取得価額20万円未満の資産だけです。
20万円以上40万円未満の資産は、青色申告をしている中小企業者等であれば少額減価償却資産の特例で買った年に全額を損金にすることができ、特例を使わない場合は通常の減価償却をします。

令和8年度税制改正で40万円未満に引き上げられたのは少額減価償却資産の特例の上限であり、一括償却資産の20万円未満という基準に変更はありません。

Q7. 白色申告の個人事業主でも一括償却資産を使うことができますか?

A. 使うことができます。

一括償却資産は青色申告・白色申告を問いません。白色申告では少額減価償却資産の特例を使うことができないため、10万円以上20万円未満の資産を早く経費にしたい場合は、一括償却資産が唯一の方法になります。

8. まとめ

一括償却資産の内容、メリット・デメリット、少額減価償却資産の特例との違い、会計処理、申告の手続きを解説しました。ポイントは次のとおりです。

  • 一括償却資産は、取得価額20万円未満の資産を3年間で3分の1ずつ損金にする処理
    申告方法や会社の規模を問わず使うことができる
  • 損金算入額は取得価額の合計÷36×事業年度の月数
    月割計算は不要だが、設立初年度など12か月に満たない事業年度は月数で按分する
  • 一括償却資産は償却資産税の申告対象にならない
  • 途中で廃棄・売却しても残額を一時に損金にできず、3分の1ずつの損金算入を続ける
  • 法人は使い始めた事業年度の申告書に別表16(8)を添付する
    個人事業主は青色申告決算書の償却率欄に1/3と記載する

当事務所では、日々の経理処理のチェックから決算・税務申告、税務調査の対応まで、法人の税務をサポートしています。初回無料相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

最後までご覧いただきありがとうございました。

初回相談は無料です

Zoom・お電話・ご来所に対応しています。全国どこからでもご相談いただけます。

無料相談を申し込む

▶ サービス内容・料金のご案内はこちら

Relyne会計事務所 代表 永野隆丞

この記事を書いた人

永野 隆丞(公認会計士・税理士)

日本公認会計士協会 東京会 46468号/東京税理士会 157067号

Relyne(リライン)会計事務所 代表。
有限責任監査法人トーマツ、ミネベアミツミ株式会社での監査・経理実務を経て、東京都千代田区で開業しました。クラウド会計freeeを活用した創業期の会社のサポートを強みとしています。ブログ記事は顧問先様に実際に説明するときにも活用しており、会計や税金に初めて触れる方でも分かりやすい内容を心がけています。趣味はサッカー観戦・野球・将棋です。

Return Top